【#ネタニヤフの逮捕まだですか】イスラエル軍によるガザ市民の死者数はガザ当局の発表より4割以上多くすでに7万人を突破か。病院の燃料が切れ乳児が次々と凍死。年明け1週間で74人の子どもたちが死亡。
ガザ中部デイルアルバラの病院の外で、イスラエル軍の空爆による死者を悼む女性たち/Eyad Baba/AFP/Getty Images
このカテゴリの記事を書いていると重いため息ばかり出ます。。。
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ウクライナ侵略を進めるロシアのプーチン大統領やガザでジェノサイドを継続中のイスラエルのネタニヤフ首相にICC(国際刑事裁判所)が逮捕状を発令したことは世界の国際法と戦争違法化の歴史において画期的なことでした。
しかし、表題に初めて「#ネタニヤフの逮捕まだですか」というハッシュタグを入れたのは、今日の記事で久しぶりに書くイスラエル軍の蛮行があまりにもすさまじいからで、実際にネタニヤフ首相が逮捕しないといけない、とかされるだろうという意味ではありません。
ネタニヤフ首相は2025年1月20日に行われるドナルド・トランプ氏の大統領就任式に欠席するそうです。
アメリカ合衆国はICC条約に加盟しておらず、ネタニヤフ首相に対する逮捕義務はありません。
他方、ネタニヤフ首相はトランプ氏の1期目に「イスラエルが望みうる最良の友人」とトランプ氏を絶賛するほどの仲であるにもかかわらず、危険を冒してアメリカに渡航するのは断念するというのです。
イスラエルのネタニヤフ首相がアメリカ上下院で演説。ガザで無差別殺戮を行ない、国際司法裁判所からは攻撃を差し止められ、国際刑事裁判所に逮捕状が請求されているネタニヤフ容疑者に演説させるアメリカは異常だ。
【悲報】#米大統領選2024 ドナルド・トランプ氏が勝利宣言。ネタニヤフ首相「あなたの歴史的なホワイトハウスへの復帰は米国の新たな始まりであり、イスラエルと米国の偉大な同盟関係への力強い再確認である」
【祝!】ロシアのプーチン大統領に続いて、イスラエルのネタニヤフ首相らにも国際刑事裁判所(ICC)がガザでのジェノサイド容疑で逮捕状を発令!世界の市民から法の支配に対する信頼を勝ち取る歴史的な快挙だ。
また、ポーランド政府は、1月27日に開かれるアウシュビッツ強制収容所の解放から80年を記念する式典に
「イスラエルの指導者が安全に参加できるようにする」
とわざわざ発表しました。
これはポーランドは同条約に加盟しているのでネタニヤフ首相を逮捕する義務があるからなのですが、ポーランド政府はナチスによるユダヤ人の大量虐殺(ホロコースト)の追悼は
「国際社会全体の道徳的、法的な義務だ」
として、特別な対応をとることを決めたというのです。
しかしプーチン大統領がICCに加盟している友好国の南アフリカ共和国で開催された、ロシアが重要視しているBRICS首脳会議への参加をあきらめてオンライン参加になったように、たぶんこれまでは出席したことのあるホロコースト解放記念式典にネタニヤフ首相は出られないでしょう。
ICCが一国の元首に逮捕状を出すということはこれほどその人物の行動を制約すると、独裁者たちと全世界が知ったわけです。
ICCがプーチン大統領への逮捕状を発布したときに親露派陰謀論者はもちろんのこと、反米拗らせ論者もウクライナ戦争即時停戦の妨げになると反対したものですが、国際法の法規範を一つずつ実現していくこういう営みこそが、次の違法な戦争を防止する最大の防壁の一つなのです。
国際刑事裁判所(ICC)に逮捕状を出され南アでのBRICS首脳会議にはビデオ出席となってしまったプーチン大統領が、ICCの赤根裁判官を指名手配。法の支配を守るためにロシアの戦争犯罪は見過ごせない。
さて、ハマスは崩壊した、だからガザでの戦闘は必要なくなったはずなのに、イスラエル軍によるガザでのジェノサイド(民族虐殺)はまだ続いています。
2024年の年末にはガザ地区の乳児の凍死が続き、12月29日にガザ地区の保健当局は生後20日の乳児が凍死したという痛ましい事実を公表しました。
なんとガザでの乳児の凍死は1週間で5人目のことでした。
国連人道問題調整事務所によると、ガザ地区では家が破壊されるなどして人口の9割が避難生活を強いられており、また人口の9割以上が深刻な食料不安に直面するなど、子どもが飢餓で死亡する事例も報告されています。
12月29日に凍死した赤ちゃんは双子ちゃんで妊娠8カ月の早産で生まれ、退院した際には家族は医師から体を温めるようにと助言されたということですが、テントで一家8人が暮らす中で4枚の毛布しかなく(涙)、ガザの冬の寒さで、父親はその子の体を温めること自体が
「不可能だった」
と語ったそうです。。。。
凍死した赤ちゃんを抱きかかえるイマーム(イスラム教指導者)=パレスチナ自治区ガザ地区中部デルバラーで2024年12月29日、AP
【#パレスチナに自由と平和を 】国際司法裁判所(ICJ)がイスラエル政府に長年の占領は国際法に反しているとして「イスラエルは占領を出来るだけ早く終結しなければならない」とする勧告的意見を言い渡した!
年が明けて2025年1月3日、イスラエル軍はイスラム組織ハマスの司令部などがあるとして24時間にガザ地区全域で、およそ40か所を空爆したと堂々と発表しました。
まだそんなに残ってるわけないやろ!!
ロイター通信によりますと、イスラエル軍自らが「人道地域」に指定する南部マワシ地区などにも空爆があり、1月2日から3日にかけて110人以上が死亡したということです。
国連で人道問題担当のトム・フレッチャー国連事務次長は1月6日、支援物資の輸送車列に対するイスラエル軍の度重なる攻撃や、武装した住民による燃料の略奪を例に挙げ、ガザでの人道支援活動が
「限界に達している」
との声明を発表しました。
イスラエルのネタニヤフ政権が4日連続でガザの学校を攻撃。国際司法裁判所(ICJ)の軍事行動停止命令やアメリカが提唱して可決された国連安保理の停戦決議を無視するイスラエルに世界は経済制裁をすべきだ。
また、世界食糧計画(WFP)の車列が1月5日にイスラエル軍に銃撃されたとして非難しました。このイスラエル軍の攻撃で車両3台に少なくとも計16発の銃弾が撃ち込まれ、走行不能となったということです。
さらに国連児童基金(ユニセフ)は1月8日、ガザで年明け7日間に少なくとも74人の子どもが亡くなったと発表しました。
キャサリン・ラッセル事務局長は
「紛争当事者と国際社会は緊急に行動しなければならない。停戦は待ったなしの状態だ」
と述べました。
ガザ地域の市民を少しでも救おうという活動をしている国連をジェノサイドの一環で目の敵にするように攻撃したり排除したりしているのがイスラエルのネタニヤフ政権なのです。
ガザ南部のハンユニスで、死亡した1歳半の幼児の遺体を埋葬地へ運ぶ親類の男性/Abdel Kareem Hana/AP
イスラエル軍がレバノンの国連平和維持軍(UNIFIL)に連続して砲撃。フランス、イタリア、スペインが共同声明で国際人道法の重大な違反に当たると指摘し、参加40か国が「攻撃を強く非難する」声明。
そんなイスラエルでは、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の活動を禁止する法律の施行が1月末に迫っています。
ガザで稼働する6か所のUNRWA診療所などでは毎日約1万5000人の患者が治療を受けているのに、この法律が施行されれば、支援物資の食料や医薬品の配布などガザでの活動も困難になるのは必至です。
そして、公衆衛生分野の名門として知られる英国のロンドン大学衛生熱帯医学大学院(LSHTM)がガザで死亡した住民の数は、ガザ当局の発表よりもはるかに多いという査読付き論文をこれまた有名な医学誌ランセットに発表しました。
それによると、2023年10月7日から24年6月30日の間にガザで外傷を負って死亡した人の人数をガザの保健省は3万7877人としていましたが、実際には推定6万4260人だったというのです。
つまり、ハマスのパレスチナ保健省は暴力による死者をネタニヤフ政権が主張するように多めに発表しているどころか、約41%過少報告しているとLSHTMは指摘し、2024年10月の時点で、暴力によって死亡したガザの住民は7万人を超えたと推定しました。
ガザ保健省は主に死亡した人の遺体を数えることで集計を行っているのですが、同大学の論文によると保健省の数字が少ない理由について、ガザの医療インフラが崩壊しており、イスラエルの攻撃が続く中で死者の数を正確に把握できないのだろうと分析しています。
ガザ南部ハンユニスで開かれた葬儀で悲しむ人々
イスラエルがガザで学校を空爆して、子どもたちを含む100人以上の市民を虐殺。イスラエル大使が招待されないと言って長崎の原爆平和式典への参列を拒否した欧米諸国はパレスチナの民に何と言って詫びるのか。
その後の上記のイスラエル軍による攻撃でさらに死者は増えています。
ガザ保健省の発表した死者数は2025年1月7日の時点で4万5885人、負傷者は10万9196人でした。
もしこれが41%実際より少ないということだと、死者数はすでに7万7771人ということになります。
確かにイスラエル軍の空爆により瓦礫の下に埋もれた死者数はわからないということは侵攻当初から言われていました。
そしてさらにさらに、同大学によると、この数字でさえ上に見てきたような医療崩壊や食糧不足、きれいな水や衛生設備の不足、疾病の流行による死者は含まれておらず、あくまでもイスラエル軍の暴力による死者だけだというのです。
このため、同論文はイスラエルの軍事作戦に起因する死者の合計はさらに多いはずだとしています。
そして死者の59%は、戦闘員の可能性が低いと考えられる女性、子供、65歳以上の高齢者だったと推計しています。
ハマスの残党狩りと称してますます一般市民を殺し続けるイスラエル軍。
ICCはやれるだけのことをやりました。次は私たちの番です。
イスラエルの攻撃で死亡したパレスチナ人の葬儀に集まった参列者=パレスチナ自治区ガザ地区中部のアクサ殉教者病院/APAImages/Shutterstock
【#パレスチナに自由を】ハマスの越境攻撃、イスラエルのガザ侵攻開始から1年。国際社会は中東戦争を引き起こそうとしているネタニヤフ政権に、ガザからレバノンから手を引け、即時撤退せよと求めるべきだ。
編集後記
自国兵士の命を顧みない「肉ひき器」戦術でロシア軍がチャシウヤールの東端地区を制圧したが、3カ月で10万人損耗。自国民の命さえ一顧だにしないプーチン政権が占領地でウクライナ人を犠牲にするのは必然だ。
反米拗らせ論者や親露派陰謀論者たちは、以上のようなガザの大量の死者数の数字を目にして、ロシアの侵略により死んでいる人よりイスラエル軍によりガザで死んでいる人の方がはるかに多いなどと妄言を吐きだしているので頭が痛いです。
実際には、イギリス国防省は1月7日、ウクライナ侵略を続けるロシア軍の死傷者が、2024年1年間で42万9660人に上ったと発表しました。
死傷者が25万人余りだった前の年と比べて大幅に増えたと指摘していますが、2022年2月24日の侵攻開始からだと3年間で優に80万人を超えることになります。
ウクライナ軍側ももちろん数十万人が死傷しています。
ウクライナ戦争で市民の死者数が1万人を超えた程度と公表されていて、これがガザより少ないのは、無防備なガザ市民に比べてウクライナではまだしも欧米諸国から供給されているミサイル防衛網がまだ機能しているからです。
それにしても「ウクライナ人の命を救うためにゼレンスキー大統領は即時停戦を」と言い募るエセ人命尊重論者たちには、兵士の命も市民の命も人の命としては変わらない、ウクライナ侵略によって自国の兵士を何十万人も死に至らしめているプーチン大統領に即時停戦を呼びかけたらどうかといいたいですね。
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ガザで赤ちゃんが5人目の凍死 人道危機がさらに深刻化
毎日新聞2024/12/30 07:48(最終更新 12/30 13:36)398文字
凍死した赤ちゃんを抱きかかえるイマーム(イスラム教指導者)=パレスチナ自治区ガザ地区中部デルバラーで2024年12月29日、AP
パレスチナ自治区ガザ地区の保健当局は29日、生後20日の乳児が凍死したと明らかにした。乳児の凍死は、ここ1週間で5人目。イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘が続くガザでは支援物資の搬入が制限されており、人道危機が一層深刻になっている。
AP通信によると、亡くなった乳児は双子の一人だった。妊娠8カ月の早産で生まれ、退院した際、家族は医師から体を温めるようにと助言されたという。だが、テントで家族8人が暮らす中、4枚の毛布しかなく、父親は「不可能だった」と語った。冬の寒さで、夜の気温はセ氏10度ほどまで下がっていた。双子のもう一人は中部デルバラーの病院で治療を受けている。
国連人道問題調整事務所によると、ガザ地区では家が破壊されるなどして人口の9割が避難生活を強いられている。また人口の9割以上が深刻な食料不安に直面するなど、子どもが飢餓で死亡する事例も報告されている。【エルサレム松岡大地】
イスラエル軍、ガザ地区各地を空爆 2日間で110人以上が死亡
1/4(土) 14:23配信
日テレNEWS NNN
イスラエル軍は3日、パレスチナ自治区ガザ地区各地を空爆したと発表しました。2日間で110人以上が死亡したということです。こうした中、停戦交渉が再開しました。
イスラエル軍は3日、イスラム組織ハマスの司令部などがあるとして、過去24時間にガザ地区全域で、およそ40か所を空爆したと発表しました。
ロイター通信によりますと、イスラエル軍が「人道地域」に指定する南部マワシ地区などにも空爆があり、2日から3日にかけて110人以上が死亡したということです。
こうした中、ガザ地区をめぐる停戦交渉がカタールのドーハで再開し、仲介国はアメリカのトランプ次期大統領の就任前の合意を目指すとしています。
ハマス側も3日の声明で「早急な合意を目指す」としましたが、恒久的な停戦とイスラエル軍の撤退に焦点を当てるという姿勢は崩しておらず、合意に達するかは不透明です。
ガザでWFP車列に銃撃 「恐ろしい出来事」と非難
ガザ中部デールバラハで食べ物を配る世界食糧計画(WFP)=昨年10月(ゲッティ=共同)
【ローマ共同】世界食糧計画(WFP)は6日、パレスチナ自治区ガザの検問所付近で、WFPのスタッフ8人が乗った3台の車列がイスラエル軍の攻撃を受けたと発表した。スタッフにけがはなかった。WFPは「恐ろしい出来事を強く非難する」として、全当事者に国際人道法を尊重するように求めた。
銃撃を受けたのは5日で、少なくとも16発の銃弾が車両に命中したという。イスラエル当局からは必要な許可を得ており、車両にはWFPを示すマークが付いていた。
© 一般社団法人共同通信社
ガザで栄養失調や感染症深刻「治療には戦争やめるしかない」…UNRWAの清田明宏医師
2025/01/10 08:58 読売新聞
【エルサレム=福島利之】国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の保健局長の 清田せいた 明宏医師(63)が8日、滞在先のパレスチナ自治区ガザから本紙のオンライン取材に応じた。清田氏は、ガザでは略奪が横行し、栄養失調や感染症も深刻化していると明らかにして「(患者を)治療するには戦争をやめるしかない」と停戦を訴えた。
清田氏
ガザで2023年10月に戦闘が始まって以来、清田氏のガザ入りは4回目。昨年12月5日~1月9日の日程で中部ズウェイダを拠点にUNRWAの診療所を訪れ、医療を継続する方策を模索している。戦闘開始から1年3か月が過ぎ、清田氏は「医療も食料事情も悪くなる一方だ」と語った。
診療所では、高血圧や糖尿病の薬がほぼ底をついた。エジプトやヨルダンには在庫があるが、イスラエル軍の管理する検問所から物資が円滑に運び込まれず、搬入されても略奪されることもある。呼吸器障害や下痢の感染症も広がっている。
ガザ中部ズウェイダに広がるテント群(1日)=清田氏提供
食料不足も深刻で、市場の小麦は1袋(25キロ)が600シェケル(約2万4000円)で手を出せない。子どもの10人に1人が急性の栄養失調に陥っており、「1日1食か、子どもしか食べられない日がほとんどだ」と漏らす住民もいるという。
イスラエル軍の空爆が続く中、治安も悪化している。南部ハンユニスでは6日夕、UNRWAの倉庫に銃を持った武装勢力が押し入り、中部ヌセイラットでは先週、住民同士が衝突し、銃撃があったという。清田氏は「ガザの住民は疲れ果て、心身とも荒れている」と指摘した。
イスラエルでは、UNRWAの活動を禁止する法律の施行が今月末に迫る。ガザで稼働する6か所のUNRWA診療所などでは日々、約1万5000人の患者が治療を受けている。法律が施行されれば、支援物資の食料や医薬品の配布などガザでの活動も困難になるのは必至だ。清田氏は「UNRWAの代替組織はない。活動が今止まったらガザはさらに厳しい状況に追い込まれる」と懸念を示した。
ガザの死者数、実際には7万人超と推定 地元当局の発表を大幅超過 英大学
2025.01.10 Fri posted at 17:37 JST CNN
ガザ南部のハンユニスで、死亡した1歳半の幼児の遺体を埋葬地へ運ぶ親類の男性/Abdel Kareem Hana/AP
(CNN) 公衆衛生分野の名門として知られる英国の大学が、パレスチナ自治区ガザで死亡した住民の数は、ガザ当局の発表よりもはるかに多いという査読付き論文を発表した。
論文はロンドン大学衛生熱帯医学大学院(LSHTM)が医学誌ランセットに発表した。それによると、2023年10月7日から24年6月30日の間にガザで外傷を負って死亡した人は、推定6万4260人だった。ガザのパレスチナ保健省は、この期間の死者を3万7877人としていた。
パレスチナ保健省は暴力による死者を約41%過少報告しているとLSHTMは指摘し、24年10月の時点で、暴力によって死亡したガザの住民は7万人を超えたと推定している。
ただしこの数字には、医療崩壊や食糧不足、きれいな水や衛生設備の不足、疾病の流行による死者は含まれていない。このためイスラエルの軍事作戦に起因する死者の合計はさらに多いはずだとしている。
保健省の発表した数字は1月7日の時点で4万5885人、負傷者は10万9196人だった。同省は主に死亡した人の遺体を数えることで集計を行っている。
LSHTMはこの調査結果から、ガザの人口の3%前後が暴力のために死亡したと推定する。このうち59%は女性と子ども、高齢者だった。
保健省の数字との差については、ガザの医療インフラが崩壊しており、イスラエルの攻撃が続く中で死者の数を正確に把握できないと分析している。
ガザ中部デイルアルバラの病院の外で、イスラエル軍の空爆による死者を悼む女性たち/Eyad Baba/AFP/Getty Images
研究チームは、保健省がまとめた病院の遺体安置所の記録、オンライン調査の回答、SNSに掲載された追悼の投稿などをもとにデータを分析した。
論文筆頭著者のゼイナ・ジャマルディン氏は今回の調査結果について、「民間人を守るため、これ以上の人命損失を防ぐため、緊急介入の必要があることを裏付けている」と訴える。
国際人権団体のヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)やアムネスティ・インターナショナルは、イスラエルがガザで行っている行為はジェノサイド(大量殺害)にあたるとして非難している。イスラエルはこれを強く否定しているが、イスラエルは国際司法裁判所(ICJ)にもジェノサイドで訴えられている。
数日前にはガザの新生児が低体温症のために死亡した。暖かい避難場所がない中で、寒さのために命を落とした乳児は、ここ数週間で少なくとも6人目だった。
ガザ保健当局によれば、計8人が低体温症のために死亡しており、この中には2歳の幼児と看護師も含まれる。
国境なき医師団は8日、ガザではナセル病院、アクサ病院、ヨーロッパ・ガザ病院の3病院が燃料不足によって閉鎖の瀬戸際に追い込まれていると発表。「電力に頼って生き延びている新生児を含め、この状況は数百人の患者の命を脅かしている」と訴えた。
ガザでの戦争のパレスチナ人死者、保健省の発表よりも大幅に多い可能性=英研究
画像提供,Reuters
英医学誌ランセットは9日、ガザでの戦争によるパレスチナ人の死者数は、イスラム組織ハマスが運営する保健省が報告した公式数値よりも大幅に多い可能性があると示す研究報告を掲載した。
イギリスの研究チームが主導したこの調査は、2023年10月7日にハマスがイスラエルを攻撃したことで始まった戦争の、最初の9カ月を対象としている。
研究は、保健省のデータ、死者を報告する親族のオンライン調査、および死亡記事を使用。その結果、2024年6月30日までに6万4260人のパレスチナ人が外傷によって死亡したと推定している。これは、死者数が41%少なく報告されていることを意味する。
在英イスラエル大使館は、「ガザからの一切の情報は信頼できず」、ハマスに有利に働くものだと述べている。
一方、国連はかねて、保健省の数値を信頼できるものとして扱っている。
保健省データは戦闘員と民間人を区別していないが、昨年11月の国連報告によると、確認された犠牲者の大多数は女性と子供だった。
イスラエルは、ハマスのデータを信頼できないとしている。イスラエル国防軍(IDF)は昨年8月に「1万7000人以上のテロリストを排除した」と述べたが、この数値の根拠は不明。IDFは戦闘員のみを標的とし、民間人の犠牲を避けるか最小限に抑えるよう努めていると主張している。
イスラエルはBBCを含むメディアの国際ジャーナリストがガザに単独で入ることを許可しておらず、現地での事実確認は困難だ。
今回の研究では、「捕獲再捕獲法」と呼ばれる統計手法が使われた。この手法は、他の紛争でも、死者数の評価に使用されている。
ロンドン大学衛生熱帯医学大学院の研究者たちは、死者数を数える取り組みの中で名前が繰り返し挙がった人の数を調査した。対象となったリスト間の重複程度からは、保健省が発表した病院での死者数よりも、紛争による外傷で直接死亡した人数が大幅に多い可能性がうかがえる。
ガザの保健省は、戦争による死者数を毎日更新し、発表している。この死者数は、病院で記録された死亡、家族から報告された死亡、および「信頼できるメディア報道」に基づいて集計されている。
一方、今回の研究では、戦争が始まって9カ月間の死者数が5万5298~7万8525人と推定された。保健省は、同時期の死者を3万7877人と発表している。
この報告の数値は、分析の技術的な詳細に応じて大幅に高くも低くもなる可能性がある。
たとえば、各データセットで「外傷による死亡」を特定することは難しい場合がある。誤った特定は、研究の推定値を高くも低くもする可能性がある。
研究によると、性別と年齢に関するデータがある死者の59%が女性と子供、高齢者だった。
ハマスは2023年10月7日にイスラエル南部を襲撃。約1200人が殺され、251人が人質としてガザに連れ去られた。イスラエルはこれに応じて、ガザに対する大規模な軍事攻撃を開始した。
ガザの保健省は、イスラエルの攻撃によってこれまでに4万6006人が殺害され、その大多数が民間人だとしている。
(英語記事 Gaza war death toll could be significantly higher, researchers say)
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