PB黒字化目標と政府債務対GDP比率
株式会社経世論研究所 講演・執筆依頼等、お仕事のご依頼はこちらから三橋貴明のツイッターはこちら人気ブログランキングに参加しています。チャンネルAJER更新しました。「国民民主党令和7年度税制改正に関する要望(前半)」三橋貴明 AJER2024.12.3 令和の政策ピボット呼びかけ人に「独身研究家 荒川和久先生」が加わって頂けました。◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆一般参加可能な講演のお知らせ。やまと経営者連盟「大阪講演会 2025年1月26日(日)」http://daikeiren.shop/?tid=2&mode=f12 財務省が絶対に知られたくない事実をバラします〜たった1枚のグラフが証明する、経済成長と税収の関係[三橋TV第948回]三橋貴明・sayahttps://youtu.be/sSfA51ZkNpI 国民民主党の玉木雄一郎議員が、プライマリーバランス(基礎的財政収支、以下PB)黒字化目標について「黒字化先送り」を主張されています。いや、PB目標は廃止するべきです。理由は、そもそも政府がPB黒字化を導入した「前提条件」が崩れてしまっているためです。『玉木氏、PB黒字化先送りを 国民民主党の玉木雄一郎代表は2日のBS日テレ番組で、政府が掲げる2025年度の国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)黒字化の先送りを主張した。 玉木氏は「国債(発行)抑制は否定しないが、本当に25年(度)に達成する必要があるのか。3年ぐらい遅らせられないのか」と指摘。「30年ぶりに賃金デフレから脱却して、ようやく新しいステージの経済になろうとしているときに、ここでブレーキを踏むのか。政治が決断するしかない」とも語った。』 そもそも、なぜ二十一世紀の初頭に竹中平蔵氏らは「PB黒字化」を言い出したのか。 実は、経済学的と言うか、統計的と言うか、根拠あるいは「導入のレトリック」がないわけではなかったのですよ。 当時は(今も)財政指標について、多くの国々では「政府の債務対GDP比率」が採用されています。 アメリカなどでは、すでに「ネットの利払費対GDP比」に財政指標が移りつつありますが、まだまだ「政府の債務対GDP比率」を重視する国が多いです。 政府債務対GDP比率の構成要素は、以下の通りとなります。1.名目GDP2.(既発債は基本的に借り換えされるため)政府債務を増やす国債利払費3.PB PBが赤字になると、政府債務が増えます(政府債務対GDP比率が上昇する)。PBが黒字になると、政府債務が減ります(政府債務対GDP比率が下落する)。 つまりは、PBが「均衡(バランス)」状態にある際には、政府債務対GDP比率を変動させる要素は、「名目GDP成長率」と「国債金利」の二つのみという話になります。 名目GDP成長率>国債金利の場合、政府債務対GDP比率は下落する。 逆に、名目GDP成長率<国債金利の場合、政府債務対GDP比率は上昇する。 97年のデフレ化以降、日本の名目GDP成長率は低迷し、マイナスになる時期もありました。 国債金利はゼロ以下には(普通は)落ちないため、「デフレ下では名目GDP成長率<国債金利の時期が続く!」 というレトリックが成立しないこともありません。実際には、デフレで資金需要が消滅し、金利も低下するため、そんな単純な話ではないのですが。 もっとも、さすがに名目GDPがマイナス成長になると「名目GDP成長率続きをみる
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